石井米国公認会計士事務所

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ランサーズ(4484) 当事務所による株価算定

ランサーズ社の株価算定

株式算定(バリュエーションとも呼ぶ)はDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)にて行われることが一般的であり、当事務所もその方法を採用します。しかし本当にこの方法で正しい株価は導き出されるのでしょうか。今回は上場企業であるランサーズ(4484)の財務データを基に、当事務所で算定した額と、実際の市場株価を比較してみました。するとDCF法による当事務所の算定額と結果が一致しました

DCF法による計算結果

2023年3月期 第1四半期決算説明資料に、売上総利益の見込みが記載されていますので抜粋します。23年度は売上総利益30~35億円を見込んでいるため、当事務所は保守的に23年度売上総利益を30億円と見積もります

23年度以降の損益見込みは、売上総利益以外に公に開示されていないため、当事務所で計算します。18年度以降の広告宣伝費を除く販管費と売上の関係は下図(単位:百万円)です。

同様に、広告宣伝費と売上の関係は下図(単位:百万円)です。広告と売上が全く相関していないので、23年度広告宣伝費を22年度と同額と設定します。

以上から、24年度の販管費を28億円、広告宣伝費を3億円と見積もります。売上原価率は23年度予測の54%を適用します。22年度は現在開示されている予想額を使用します。

以上の数値をDCF計算式に当てはめたのが下記です。評価基準日は22年3月31日です。

ベータは簡易的にロイター社を参考にします。投資CFは過去平均、24年以降の成長率はゼロとします。

すると、一株262円となります。実際の3月31日時点の株価は263円だったので、算定結果は実際と一致します

まとめ

ランサーズ社は、広告宣伝費が売上と相関していないことから分かるように、広告の効果が全く出ていません。その対応策として、「成果報酬型広告や費用対効果の高い施策に集中することで効率化し規律ある費用管理の徹底」をするようです。広告は販管費の多くを占めているため、今後改善が必要です。

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