石井米国公認会計士事務所

海外子会社管理をお手伝いします

ローランド(7944) アメリカ企業買収90億円

実例

ローランドがアメリカ子会社が、現地企業のDrum Workshop, Inc.を買収し完全子会社化することを決定しました。

ローランドは近年ドラム事業で成功していますが、更に成長するため、人材や開発力に優れた同社を買収し、市場優位性を獲得します。

買収額は65百万米ドル(約90億円)(キャッシュフリー・デットフリーベース)で、アドバイザリー費用等は概算で1.8百万米ドル(約2.5億円)です。

同社の直近21年12月期の売上は63百万ドル、営業利益は3百万ドル、資産は32百万ドル、純資産は12百万ドルでした。

米国の楽器メーカー Drum Workshop, Inc.社の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

注目点

キャッシュフリー・デットフリーベースとは、会社を購入する際、その会社がもつ負債を負わない、という意味です。通常であれば、会社を購入する際に負債も引き継ぐので、会社の購入金額は資産から負債を除いた純資産をベースに決まりますが、本件の場合、購入の際負債を負わないため、資産そのものが購入金額になります。本件購入額の65百万ドルは、資産額32百万ドルの2倍で購入した計算になります。

なぜキャッシュフリー・デットフリーベースで購入額を決めるかというと、EBITDAの存在があります。EBITDAは資産の収益を示し、企業買収の世界で広く使われます。数多くある企業買収額の算定方法において、EBIDAの〇倍で会社の資産を買う、という方法のメリットは、買収ターゲットの余剰資金を考慮しなくていいことです。例えば、産業平均のEBIDA/資産が20倍の場合、買収ターゲットのEBIDAの20倍を購入金額にすることで、買収ターゲットに余剰資金がいくらあるのか、という主観的判断をしなくて済みます。もしDCF法で株価算定する場合、余剰資金を算定額から除くという作業が行われることがありますが、余剰資金の計算は決められた特定の規則があるわけではなく、主観的判断によるケースがよくあるため、正当な株価を見積もるという観点から不十分です。その意味で、キャッシュフリー・デットフリーベースはよりフェアな算定結果を導くのです。

海外子会社管理にお困りなら

f:id:uscpaoffice:20210409161640p:plain