石井米国公認会計士事務所

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日機装(6376) 海外子会社がタックスヘイブン対策税制で課税

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実例

日機装は、税務調査により、17年に買収した Cryogenic Industries グループの外国子会社3社(Cryogenic Industries AG(スイス)、Cryogenic Industries Ltd.(カリフォルニア州)、Cosmodyne Packaged Plants Ltd.(カリフォルニア州))に対してタックス・ヘイブン対策税制の適用を受けることになり、8月の第2四半期連結決算にて法人所得税1726百万円を計上しました。

理由は、買収前のCryogenic Industries グループによる親子間配当収入が、タックス・ヘイブン対策税制で課税されたためです。

税務当局からの更正による追徴に関する当社見解について

注目点

おそらく、今回の課税対象三社が、日機装に買収される前にそれぞれの子会社から配当を得て、それに対し税務署が文句を言ったものと思われます。

タックス・ヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)によると、買収前に行われた外国法人側による事業再編により発生した外国法人側による所得は、日本側で課税対象外ですが、一部取引(外国法人による株式譲渡益、債務免除益、資本の払戻による譲渡益)は日本側で課税対象となるようです。

本件では、買収前に、外国会社の預金調整を行ったとのことです。外国会社の余剰資金を配当で処分し、その後日機装が外国法人を買収したのではないかと推測されます。本件ではその配当処分が一部取引(資本の払戻の譲渡益)に該当した、ということかもしれません。

確かに米国は資本金からの配当はReturn of capitalとして非課税です。それを日本の税法から見た場合は、資本の払戻であり、且つ本件では所得が発生している、と認識されたということなのかもしれません。

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