実例
店頭販売促進業のインパクトホールディングスは、19年4月に出資したインド合弁会社(インパクト持分49%)の、共同出資インドパートナーであるCoffee Day Enterprise Limitedの子会社が、19年7月時点で資金353億5千万ルピー(約498億円)を不正流出していたとの調査結果を公表しました。
不正内容は、そのインドパートナー企業の会長が個人所有する企業による、投資家への出資払戻や借入返済などでした。その内いくらが合弁会社から流出していたかは現在調査中です。なお減損や貸倒は前期においてすでに計上済です。
注目ポイント
そもそも、インド人会長が急逝したことがきっかけで今回の事件が発覚したようです。不正を未然に防ぐには、日本からの定期的な内部監査が有効です。資金拠出を費用計上しないで仮払金などの資産を増やしたりすることで不正を誤魔化すことが多いため、前期比増減分析で、大きな増減のある科目や突然発生する科目に対し証憑を精査する、また金額の大きい支出を精査することで、不正を見破ることができます。