実例
吉野家ホールディングスの中国統括子会社の吉野家(中国)投資有限公司は、完全子会社の花丸餐飲管理(上海)有限公司に1.5億円の増資を行いました。
中国花丸の直近19年12月の売上は7.8億円、当期純利益は△1.5億円、純資産は1.1億円です。
注目ポイント
ファイナンス理論では、選択すべき資金調達はまず借入、それが無理であれば増資です。なぜなら、株式発行による調達は株主資本コスト(Cost of Equity)と呼ばれ、負債コスト(Cost of Debt)より高いからです。
投資する側の視点で考えればわかりますが、貸付しても返済されるだろう、と考えれば貸付しますし、返済されないかもしれない、と考えれば出資するしか方法がないので、出資はその分高いリターンを要求するのです。
本件の吉野家のように、貸付せず増資するということは、貸付しても返済の目途が厳しいと予想しているためであり、増資しか選択肢がないからです。