石井米国公認会計士事務所

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わかりやすいVIE(変動持分事業体)の説明

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実例

アメリカの証券市場にはいくつかの外資規制のある国の企業が上場され株が取り引きされています。例えば下記73ページに某外国企業のアメリカ上場スキームが記載されています。

Form F-1 REGISTRATION STATEMENT UNDER THE SECURITIES ACT OF 1933

注目点

多くの国では「外資規制」といって外国人投資家からの侵略を防ぐ政策を取っています。例えばマレーシアは特定の業種例えばスーパーマーケットやコンビニに対し外国人投資家持分が一定の割合を超えないような規制があります。この外資規制を突破してしまうVIE(Variable Interest Entity、変動持分事業体)というスキームをご紹介します。

上図がそのスキームですが、例えば日本人投資家が海外の外資規制のある会社を支配したい場合、その支配したい会社であるVIEを所有する現地人投資家と、日本人投資家が設立したWFOE(Wholly Foreign Owned Enterprise)の間で下記契約を結ぶことで、現地人株主の権利をWFOEへ移します。

  • 委任状:投票権など株主権利をWFOEへ委任
  • 貸付契約:WFOEが現地人株主へVIE株の購入資金を貸付する。WFOEがVIEへの増資に関する資金提供をすることで実質的に現地株主に追加出資させない
  • 株式質権設定契約:上記貸付に対し、VIE株式を返済担保にする
  • コールオプション契約:WFOEに対しVIE株の買い取り権を与える。将来の外資規制緩和の時に準備

しかしこのままだとWFOEはVIEから配当をもらえないので、WFOEとVIEの間でコンサルティング契約を結び、WFOEがコンサルフィーをVIEから徴収することで配当の代わりとします。こうすることで、表向きは内資100%の企業を外資(上記例だと日本)が完全支配することができてしまうという状態になります

なおWFOEが実質的にVIEを支配しているため、株式支配関係がないにもかかわらずアメリ会計基準ではVIEはWFOEの連結対象です。

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